FC2ブログ
   
01
   

「歴史的假名遣ひ」を守る理由(4)





  ところが、そのフランス文學の教授の口から出てきた言葉は、「いやあ、今どき、あんなにきちんとした日本語を書けるなんて。研究室の學生たちと『この答案を額に入れて飾っておかうか』と話してゐたんだよ」。



 褒め言葉を頂戴することがあらうとは全く予想すらしたことが無く、反撃のことしか考へてゐなかつたただけに、この時はすつかり面喰らつてただどぎまぎするばかりだつた。




  その後、英文學のある先生からも「大したものだよ」と言はれ、さらに「國語審議會の委員も務めたことのある先生がね、教授會の時に隣に坐つたら、君のことを随分褒めてゐたよ」。



  それからも、褒めたり賛意を示したりする先生はゐても、批判めいたことを口にする人はひとりもゐなかった。私はすつかり拍子抜けしたが、考へてみれば当たり前で、大學教授ともなれば國語國字の問題くらゐは認識してゐるのである。



  大學一年の夏から使ひ始めた漢字と假名づかひは、大學院の試験でも就職などのための履歴書でもまもり續けた。




  卒業後、何年かして、また別の英文學の先生から「君は偉いよ。ぼくも勿論あんなでたらめな漢字假名遣ひには反對だつたけど、いつの間にか妥協してしまつて」と言はれた。



  「歴史的假名遣ひ」は決して「旧かなづかひ」ではなく、また短歌や俳句にだけ使はれ續けてゐる特殊な假名づかひでもない。



  文庫本では「新かな」になつてゐても、単行本や全輯では「正字・正かな」の作家は珍しくないし、また丸谷才一氏のやうに単行本でも文庫本でも歴史的假名遣ひを守つてゐる人もゐる。




スポンサーサイト



プロフィール

Holmesian2011

Author:Holmesian2011
FC2ブログへようこそ!

最新記事

MMOタロット占い

淡々と百人一首

    摂氏/華氏 温度変換器

    カテゴリ

    最新コメント

    月別アーカイブ

    最新トラックバック

    検索フォーム

    RSSリンクの表示

    リンク

    ブロとも申請フォーム

    この人とブロともになる

    QRコード

    QR