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モンブランの万年筆 アメ横編(2)

 初めて、しかも独りで、気後れしながらアメ横に入つて行つた。どこに何の店があるのかも分からず、しばらくはただ歩き回つた。

 大きな店ではないが、何となく「ここがよささうだ」と思つて入つた店で試し書きをしたが、初めて手にするモンブランの感動とは裏腹に、書き味はさほどでもなく、内心はややがつかりした。

 2,3本試し書きをしてゐたら、私の相手をしてくれてゐた若い店員に向かつて、やや奥の方から店主らしい中年の男性が「お客さんにモンブランを全部出してお見せしなさい。全部試し書きしていただいてかまわないから」と声をかけたのである。

 客が金持ちさうな初老の紳士とか、うるささうな作家風の男ならともかく、二十歳そこそこの若造にどうしてそんな声をかけてくれたのかわからない。

 しかし、気後れしながら万年筆を手にしてゐた、貧相な青二才をそんなふうに扱つてくれたことは強烈に記憶に残つてゐる。

 試し書きさせてもらつたのは5本ぐらゐだつたと思ふ。どれも大差がないことが分かつたので、確か2本目に手にしたモンブランを4割引で購入した。

 モンブランの万年筆は、書き味に不満がある場合は、銀座にある本店(?)にその旨を書いて送ると、調整の名人がゐて、「このお客はどこが不満なのか」をしつかりくみとつて直してくれる。今も対応してくれてゐるはずだが. . .
(完)
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