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「勉強」の意味

 中谷宇吉郎『科学以前の心』に収められてゐる「映画を作る話」には、こんな文章が出てくる。

 何よりも驚いたことは、カメラマンや助手の諸君の勉強ぶりである。その中でもY君の猛勉強ぶりには、一同がすっかり度肝を抜かれてしまった。(71)

 「Y君、どうも少し勉強が過ぎやしませんか。一体君は例外なんでしょう。それともカメラマンというのは皆そんなに勉強家ばかりなんですか」と聞くと、Y君はにやにやしながら、「ええまあ、ロケーションに出ると皆なかなかがんばりますよ」と言う。(77)

 ここで「勉強」と言はれてゐるのは、雪の結晶の映畫撮影のために、マイナス35度の低温室にカメラマンが初日から二時間以上も入つて頑張つてゐる状況を示してゐる。

 低温室に慣れてゐる者でも二時間が最長記録で、ふつうは三十分おきに外に出ては暖まつて、また入るのに、このカメラマンは四時間も入つてゐることがあつた。その頑張りを「勉強」と言つてゐる。

 最近読んだばかりの高島俊男『漢字雑談』にも、「努力のことを『勉強』と言うのもごくふつうのことであった」(138)とある。

 ここでは「努力」といふより、「頑張ること」だ。
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