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09
   

三上延『ビブリア古書堂の事件手帖4〜栞子さんと二つの顔』

 『ビブリア古書堂の事件手帖』は、「古書」をテーマにされると抗しがたいといふ私の性癖に加へて、小山清や「たんぽぽ娘」など、誰にも教へず密かに大切にしてきた偏愛の書と作家がテーマにされてゐたので、氣になつて読んでしまつたが、二作(確か一作目と三作目)読んだ段階で、「もうこのシリーズを読むことはないだらう」と思つた。

 シリーズ四作目は、前三作とはかなり趣向が変はつたやうに思へたが、新本はもちろん、古本で半額になつてゐても、買つてまで読む氣にはなれなかつた。

 ところが、昨日、古本屋に行くと、本のカバーがないだけで、本体は読んだ形跡すらない真新しい状態で「50円」の「奉仕本」にされてゐたため、珍しく値段に釣られて買ひ、すぐに読んでしまつたのである。

 江戸川乱歩の捨てた原稿をめぐる「謎」と「仮説」を主軸にしながら、関係者たちの人間模様が「物語」として前作までと比べると遙かにしつかりと描かれてゐて、シリーズ中では最も小説としての完成度が高いので、驚いた。

 ただ、古書堂でアルバイトしてゐる設定の「語り手」の男が、「本が読めない体質」であることは譲歩するにしても(なにしろ、私自身、18歳ぐらゐから比較的最近まで、漫画が読めない体質が続いてゐたのだから)、本の知識がないことを弁解がましく説明してゐる点は、不自然に響き、わざとらしさが限度を超えてゐるやうに感じられた。


ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫)
(2013/02/22)
三上 延

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