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米原万里『ロシアは今日も荒れ模様』(講談社文庫)(2)

 もう一つ、握手の仕方で、これはニュースなどを見てゐる時に私も氣になつて注視してしまふところだ。

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 一九八九年暮れ、ソ連の反体制物理学者サハロフ博士が来日した折、あるパーティで当時のわが国の首相と簡単な挨拶と握手を交わしたことがある。
 首相が立ち去った後、天使のように温厚な博士が、
「あいつぁ、俺の目を一瞥だにしなかった」
 と珍しく怒気を込めて、つぶやいたものだ。
 翌九〇年初頭、今度はまだ大統領になる前のエリツィンが来日し、同首相を表敬訪問した。会談終了後、エリツィンが漏らした感想も、ほぼ同じだった。
 「何で、握手のときにこちらを水に、あらぬ方向ばかりに目をキョロキョロさせているのかねえ」
 九一年以降、毎年来日しているゴルバチョフも同じ印象を持ったらしく、あるとき、私に尋ねたものだ。
「あの方は、いつもああなのですか」
「日本では、相手の目をジロジロ見つめるのは、かえって失礼だという習慣があるんです」
 と取り繕ったものだ。
 たまたま三人は、口に出してくれたから、フォローのしようがあったが、圧倒的多数の外国要人は、
「何と無礼な!」
 と心中で憤慨しつつ、おくびにも出さずに悪印象だけしっかりと胸にしまって帰国しているのかもしれない。(240-41)
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 このあと米原万里さんは、(1)握手するお互いの距離 (2)腰の曲がり具合と頭の位置 (3)握りの強さと時間の長さ (4)接触部分の多少(242-44)について説明してゐる。
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