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04
   

上原浩『純米酒を極める』(光文社新書)(8)

日本酒の伝道師としての酒販店の役目は大きいのに、酒を知らない酒屋が多すぎる。

 私は幸運にも20代から西荻窪の「三ツ矢酒店」のお陰で随分と勉強をさせてもらつた。

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 昭和五〇年頃から、一部の酒販店の経営者たちによって、無個性な大手蔵の酒に対する反動という形で、各地の地酒に脚光が当てられるようになった。(中略)彼らの地道な努力によって酒造界を取り巻いていた閉塞情況に風穴が空けられ、地酒ブームが始まった。
 その草分け的存在が、東京・池袋で「甲州屋酒店」を営んでいた児玉光久氏であった。『夏子の酒』のなかでも紹介されているので、ご存じの読者も多いと思うが、彼が地酒の普及にもたらした功績は計り知れない。(中略)児玉氏は若くして亡くなり、「甲州屋酒店」もいつの間にか閉じてしまったが、今日まで生きていれば、どれほど心強かったろうと惜しまれる。(164-65)
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 料理と日本酒の組合はせも重要なのに、料理に力を入れてゐても、日本酒に対する意識の低い料亭が多すぎる。

 料理を引き立てる日本酒を客に勧めれば、料理の評価もあがり、酒もすすんで、売り上げにつながるから、店も儲かるのに、どうしてその程度の企業努力をしないのか。

 特に「燗」への意識改革は日本酒の将来の存続にかかはる重要事だ。

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  [飲食店についても]燗をつけるのが上手いことも重要だ。良い酒でも悪い酒でも燗にせず、仕方も知らず、生酒のような酒をキンキンに冷やして飲ませることだけがサービスだと思い込んでいる飲食店では話にもならないが、燗に向く酒が分かっていないというのも困りものだ。
 燗映えしそうな純米吟醸酒があるので、燗にしてくれと客が頼んでいるのに、
 「これは吟醸酒だからお燗には向きませんよ」
 などと言うのは、酒を知らず、ウソの受け売りを真に受けている証拠である。(168)
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 本書の160〜161ページの間のカラーページで紹介されてゐる居酒屋の中の「真菜板」が誤植で「真菜坂」になつてゐる。編輯者はしつかりと校正をしてほしい。

(完)
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