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池澤夏樹『雷神帖 エッセー集成2』(みすず書房)(2)

 デカルトの徹底した懐疑の末に導き出される凝縮した「結論」には、目眩がするほど魅了された。それがどれほど大きな「問題」を孕んでゐるのかには思ひが至らなかつた。
 ただ、「自分の頭」で考へることを目指さうと、覚悟のやうなものはその時期に出來た氣がする。

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 結局はデカルトを受け入れるかどうかだ、とぼくは考えた。正確に言えば、デカルトだけでやってゆくか否か。(中略)デカルトには、飛躍、連想、比喩、通底、円環的な運動、そして精神の自由かつ奔放な運用などがない。
 彼はひたすら問題に接近してゆく。近づいて精査すればことは解決すると信じている。だから、一歩さがって、ぜんたいを見て、遠く離れたものを直観的に結びつけるということをしない。それは主観と恣意に基づく間違ったやりかたであって、そこから曖昧が侵入しかねない、と彼は言う。機械にあっては部品と部品は接していなければならない。リンクを確保しないと力は伝わらない。世界解釈の論理構造もまた同じ。
 この方法に沿って思考の訓練を受けると、「非科学的」なものへの警戒心が強くなる。言い換えると、デカルト的な科学は非寛容であり、排他的であるということになる。科学は科学以外を排除する。(155-56)
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(つづく)
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