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服部龍二『外交ドキュメント 歴史認識』(岩波新書)(9)

 最後に中国との問題。

 事情は韓国と似てゐるやうでゐてまつたく違つてゐる。「歴史認識」は中国の場合、完全な外交カードであり、自分を常に有利な立場において、日本を非難するための切り札で、その意図は悪質極まりない。

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以前から江[沢民]は、愛国主義教育に結実する歴史教育に力を注いでおり、在外の中国大使らを集めた演説では「歴史問題を終始強調して永遠に言い続けねばならない」と述べていた。(177)
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少し時代を遡ると、現在とはまつたく違ふ日中関係が浮かんでくる。

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二〇〇八年の日中共同声明では、二〇〇六年の共同プレス発表の域を超え、日本が「平和国家」として「世界の平和と安定に貢献してきている」と盛り込まれたのである。「日本軍国主義復活」論をとらないという内容であり、和解の文書といってもよい。福田[康夫首相]は中国との信頼醸成に腐心したし、日中関係がアジア太平洋地域の発展に資することは共通理解となっていた。(194-95)
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 いくら外務省(現在の外務省は頼りになりさうにないが)が努力しても、明確な結果や成果を挙げるには政治家の判断が不可欠だ。

 政治家の発言力は庶民が思つてゐるより遥かに大きな意味をもつてゐる。

(完)
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